企業で排出される廃棄物は専門の業者があります。
そしてその工程は「マニフェスト( 産業廃棄物管理票)」で厳格に管理されています。
この管理票、紙の場合は7枚綴りの複写式になっており、排出する事業者、収集する業者、処分業者それぞれ記載します。
つまり、誰の廃棄物を、誰が収集し、誰が処分したかを追跡できるようになっているということです。
これは、ファイリングでいうところの「記録(record)」で、保存年限も5年と定められております。
これもペーパーレスの波で、紙から電子で処理、クラウドで一元管理となりつつあるようです。
先日このようなお話を耳にしました。
「親戚の家で住む人がいなくなりました。家を処分にするにしても、家財がそのままになっております。
片付け業者さんにお願いして処分してもらおうと考えています。」
私は不用になったモノの処分を行うことはできません。
不用品の廃棄処分は「一般廃棄物処理業者」の許可が必要です。
札幌市ですと札幌市環境事業公社のみです。
ところがフリーペーパーなどを見ると不用品回収などを謳った広告がけっこうあります。
これは、「不用品の廃棄」ではなく、「不用品の買取り」という名目のようです。
「買取り」であれば、古物商の届け出を行えば可能です。
しかし、家じまいなどで片付けた場合、出てくるほとんどのモノは中古品です。
リサイクルショップを利用したことのある方ならご存じとは思いますが、買取りにはほとんど値段がつきません。
有償で回収を行っているのが実態のようです。
家一軒まるごとだと見積は数十万円にもなるのだとか。
業者がいったん引き受けた品物は、なんらかの形で処分しなければなりません。
リサイクルやリユースで利用できればいいのですが、ゴミとして廃棄するには処分費用がかかります。
事業者のゴミは産業廃棄物です。冒頭で述べたように厳格に管理する必要がありますし、費用もかかります。
廃棄費用のほうが高くついてしまった場合は赤字です。
不法投棄が起こる一部にはこのような背景もあるのでは、と考えられなくもないです。
不法投棄の残存は1,567.4万トンだそうです。(令和2年末/環境省HPより)
環境汚染の影響もありますし、処理費用には莫大な費用がかかります。
そしてその費用は税金です。
許可のない業者を安易に利用し、万が一不法投棄されてしまった場合は、自分も犯罪に加担してしまったことになるとも言えます。
また税金が使われるということは、結局自分達にツケが回ってくるということです。
家庭から出る多量のゴミを「廃棄処分」する場合には、次の点を気をつけると良いです。
〇 一般廃棄物処理業者
× 産業廃棄物処理業
× 古物商営業
× 貨物運送事業
許可の業者さんはお住まいの市区町村のウェブサイトに記載されております。
利用する際はよく確認することをおすすめします。