整理収納を行う時は、理想の暮らしを描いていただきます。
どんな暮らしをしたいのか?
理想は人によって違います。
自分にとっての理想を思い描く、そこからスタートです。
この時、私はいつも「少し先の未来を見て、すぐ目の前のことを行う」ということを心掛けております。
少し先というのは1ヶ月後でもいいし、1年後など、これもまた人それぞれだし、場所によっても違います。
「来月までに、食器棚をすっきり整理したい」
「1年後には、いつでも人を招くことができるリビングにしていたい」
少し先の未来を描いたら、それを実現するためには、何が必要で何が不必要か?
これを見極めて、不必要なモノは取り除き、必要なモノは補っていきます。
この時大切なのは、対象はモノだけではないということです。
自分の価値観、気持ち、あるいは家族との意思の疎通、こういったマインド面も大きなウェイトを占めます。
シンプルに身軽な生活を送りたいと思っているのに、過去の思い出のモノをどっさり抱え込んで埋もれていたら身軽とは言えません。
かと言って、思い出を全部捨ててしまうと虚無感に陥ってしまうかもしれません。
そこで、自分の落としどころを見つけたり、どういうモノが心の拠り所になるのかを見極めていきます。
すっきりした食器棚にするには、食器は少ないほうがすっきりに近づきます。
単純に使っていない食器を取り除いていくだけで、食器棚はかなりすっきりします。
しかし、使っていない食器の中には、高価な食器もあるかもしれません。
では、その高価な食器は自分にとってどういう存在なのか?これを深掘りします。
例えば披露宴の引き出物としていただいたブランド食器。
すごく親しい友人や自分の子どもの引き出物なら思い出深い特別な食器かもしれません。
反対に、半ば義理で出席した披露宴なら思い出はあまりないかもしれません。
このような感じでひとつひとつ手に取って見ていくと、食器の属性がわかります。「使っていない」「引き出物」「高価」の他に「思い」も見えてくるのです。
それに対して自分がどういう風に関わっていきたいかを見極めます。
ひとつひとつ、目の前の食器に対して繰り返し行っていきます。
繰り返しを積み重ねることで、理想に近づいていきます。
未来だけを見ているだけだと、現在とのギャップがうやむやになってしまい「妄想」で終わってしまいます。
目の前だけを見ていると、どこに向かっているのかわからなくなり「迷走」あるいは「暴走」してしまいます。
「少し先の未来を見て、すぐ目の前のことを行う」
片づけ以外のあらゆることに通じる方法です。
仕事の場合は、「目標から逆算してタスクを割り出す」という表現をしています。
私はこの考え方にずいぶん助けられています。
おすすめです。
整理収納アドバイザー 渡部夏代